「専門業務実務指針4465「自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」の公表について (2024年7月29日 日本公認会計士協会)

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2024年7月12日に開催された常務理事会の承認を受けて、「専門業務実務指針4465「自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」を公表しました。

 バーゼル銀行監督委員会が公表している国際的に活動する銀行の自己資本比率や流動性比率等に関する国際統一基準であるバーゼル合意については、2007年以降の世界的な金融危機を契機として、見直しに向けた検討が進められ、2017年に新しい規制の枠組み(バーゼルⅢ)について最終的な合意が成立しました。

 バーゼルⅢにおいては、銀行が想定外の損失に直面した場合でも経営危機に陥ることのないよう、自己資本比率規制が厳格化されました。また、急な資金の引出しに備えるための流動性規制や、過大なリスクテイクを抑制するためのレバレッジ比率規制等も導入されることになりました。

 我が国においては、バーゼルⅢ最終化として、リスク計測手法等の見直しを含む金融庁の改正告示が2024年3月31日から段階的に適用されることとなりました。これを受けて、付録3(自己資本比率の算定に対する合意された手続チェック項目及びチェックポイント、合意された手続及び手続実施結果対照表)及び付録4(レバレッジ比率の算定に対する合意された手続チェック項目及びチェックポイント、合意された手続及び手続実施結果対照表)を中心に改正を行ったものです。

 内容に係る主な変更点は次のとおりです。

(1)第4-8項

 今回の改正の経緯を説明する項を追加した。

(2)付録3(自己資本比率の算定に対する合意された手続チェック項目及びチェックポイント、合意された手続及び手続実施結果対照表)

《個別的事項①・・・国際統一基準行》「8.マーケット・リスク相当額算出時における外国為替リスクの算出対象ポジション」

  国際統一基準行は新規制が適用される2024年3月31日から当規定を適用することができなくなるため、項目ごと削除した。

《個別的事項①・・・国内基準行》「1.資本調達手段の自己資本としての適格性」

  適格旧資本調達手段について、コア資本基礎項目への算入の経過措置は2024年3月30日まで(平成25年改正告示第6号附則第3条第2項)であるため、削除した。

《個別的事項②・・・国際統一基準行》「5.マーケット・リスク相当額の合計額」

  「トレーディング勘定の抜本的見直し(FRTB)」の導入によりマーケット・リスクを計測する範囲であるトレーディング勘定の定義が明確化されたことを受けて、(1)を修正し、(3)-2を加筆した。

《個別的事項②・・・国際統一基準行》「6.オペレーショナル・リスク相当額の合計額」

  新規制では内部損失データの収集が必要となることを受けて、(1)及び(4)を修正し、(2)-2を加筆した。

《個別的事項②・・・国際統一基準行》「7.所要自己資本額の下限」

  「所要自己資本額の下限」を「資本フロアの算出方法」に修正し、チェックのポイント及び合意された手続の内容を新規制に合わせて修正した。

《個別的事項②・・・国内基準行》「7.所要自己資本額の下限」

  「所要自己資本額の下限」を「所要自己資本額の下限(新規制導入先の場合、資本フロアの算出方法)」と修正し、チェックのポイント及び合意された手続の内容に、「所要自己資本額の下限」と新規制導入先の場合の「資本フロアの算出方法」を並記した。

(3)付録4(レバレッジ比率の算定に対する合意された手続チェック項目及びチェックポイント、合意された手続及び手続実施結果対照表)

《個別的事項①》「2.経過措置の適用」

  金融庁告示における経過措置規定が削除されたため、項目ごと削除した。

 本改正は、2024年7月12日から適用されます。

(日本公認会計士協会 ホームページ

 https://jicpa.or.jp/specialized_field/20240729gaj.html )