「業種別委員会実務指針第64号「投資信託における監査上の取扱い」の改正について」の改正について」(公開草案)の公表について(2024年5月31日 日本公認会計士協会)
日本公認会計士協会(業種別委員会)は、業種別委員会実務指針第64号「投資信託における監査上の取扱い」の見直しについて一通りの検討を終えたため、公開草案として公表し、広く意見を求めています。
金融庁の金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」から2022年6月22日に公表された中間整理の中で、スタートアップへの円滑な資金供給のため、投資信託への非上場株式の組入れに関して必要な枠組みを整備すべき旨が提言され、2023年12月21日に投資信託協会の関連規則の改正が行われました。また、2024年2月15日に投資信託財産の計算に関する規則が改正され、投資信託に係る一単位(口)当たりの純資産額と基準価額において差異が生じた場合に、貸借対照表等において当該基準価額及び当該差異の理由が注記される旨の規定が設けられました。本改正は、上記の改正を受けて、市場価格のない株式等に投資する投資信託の監査上の留意事項を追加するために見直しを行ったものです。
内容に係る主な変更点は次のとおり。
・上場株式などの流動性の高い有価証券と異なる運営方法や管理方法を前提とした監査証拠の入手可能性の検討事項など、監査契約の締結における留意事項を追記した(第18-2項から第18-4項等)。
・投資信託に係る一単位(口)当たりの純資産額と基準価額において差異が生じた場合の注記を含む財務諸表の作成に係る内部統制や会計上の見積りに関連するリスクなど、重要な虚偽表示リスクの評価における留意事項を追記した(第33-2項から第33-7項)。
・上記リスク評価を前提とした運用評価手続や評価に係る実証手続など、リスク対応手続における留意事項を追記した(第44-2項から第44-4項)。
・存続期限に向けた投資資金の回収を速やかに実行できない可能性を前提とした継続企業の前提に関する監査人の検討における留意事項を追記した(第46-2項から第46-4項)。
意見期限:2024年7月1日(月)まで
(日本公認会計士協会 ホームページ